長くて五年のステイホーム

先週あたりからお寺の境内でもセミが鳴き始めました。
そろそろ梅雨も終わる合図でしょうか。
「コロナウイルスは高い気温と湿度に弱いのではないか」という情報もあり、梅雨時期には収まって欲しいという期待もしていましたが、かえって感染者数が増加してきたので、残念ながら更なる自己自粛を考えているところです。

さて昨日のことですが、21:00頃に娘を塾に迎えに行きお寺に帰った後、山門を閉じようとしましたら、石畳の上にセミの幼虫がいました。
踏まれたりしてはいけないと思い、境内のマキの木にそっと移動させました。
実は今まで一度もセミの羽化というものを見たことがなく、「ええ機会や」ということで観察をすることにしました。
羽化の邪魔になってはいけないと思い写真は撮っていないのですが、とにかく感動的でした!
ここまで真剣に何かの応援をしたのは何年ぶりだろうというぐらいです。
リンク先の写真のように、うちの子(!)は逆さまにぶら下がっており「落ちんといて」祈っていましたが、命がけの腹筋によりなんとか手でブラ下がる体勢に持ち込み、羽根も徐々に伸びていき、無事に羽化に成功しました!!

個体差もあるそうですが、クマゼミの幼虫期間は長くて五年程度らしいです。
繁殖という生命最大のクライマックスを迎えるために、セミたちは傍目には文句も言わずジッと自己の成長をはかっているように見えます。
四月ごろから始まった自粛生活ですが、お参りも減り、外出も減り、楽しみも減り、体重は増える中、何事にも無気力になっていますが、昨日のセミのお陰で少し元気になれました!

セミと人間を比べるのが適当かどうかは分かりませんが、彼らに比べて何と我慢のできない浅ましい自分なのかと思います。
ワクチンや治療薬ができるまでは自粛生活を強いられるかもしれませんが「きっと来年には状況がかわる!」と信じて、頑張っていこうと思います。

セミの幼虫