一人でご法事
三月のことですが、そろそろ新型コロナウイルス感染症の影響が深刻さを増し始め、檀家さまからも「ご法事を延期していただけますか?」とのご連絡をいただくようになってきました。
賛否両論あることは重々承知しておりますが、現在のところお寺から檀家さまに「コロナが危ないので月命日や法事、葬儀を断らせていただきます。」とは申しておりません。
月命日やご法事そしてお葬儀は檀家さまの主催によるものであって、出勤を求めていただけるのであれば、必ずお参りさせていただきます。
もちろん、お参り前後のアルコール消毒やマスクの着用、お参り後のお茶のお接待の遠慮など、感染予防にできる限りの配慮は致します。
仏教の考え方の一つに、「明日を必ず迎えられると思ってはいけない」というものが有ります。
「今お勤めをしなければ、もう出来ないかもしれない」と考えようということです。
この新型コロナ感染症の蔓延する厳しい状況では、その考え方はそぐわないかもしれません。
けれども檀家さまの中には、お寺においでになり「せっかく法事のお時間をとって下さったのに申し訳ない。」とおっしゃって、ご法事自体は中止されたものの、お布施を預けて帰られる方もおられます。
きっと心の中には亡くなられた方への想いや、環境や状況は法事の開催を許さないが、お寺に任せておけば安心だと信頼して下さったからではないかと、私は思っています。
それらの気持ちを裏切らないために、一人法事をさせていただきました。
ネットで中継をしながら勤めるという形をとるお寺さんもあるとうかがっておりますが、なかなかやり方も分からないので、ご容赦ください!